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交通安全対策、修繕工事などの事務処理、あか牛の消費拡大、菊之城跡について(令和3年度第4回定例会)

#市議会一般質問 2023/06/19更新
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議席番号4番、後藤英夫でございます。
 
議長の許可をいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。本日の質問事項は4点でございます。
 
1点目は、本市の交通安全対策について、 次に2点目は、本市の修繕工事などの事務処理について、3点目は、あか牛の消費拡大について、最後、4点目は、菊之城跡について、以上の4点についてお尋ねいたします。
 

後藤議員

1点目、まずは、本市の交通安全対策についてお尋ねいたします。
 
今年の6月28日に、千葉県八街市で下校中の小学生の列に飲酒運転と見られるトラックが突っ込み、5人が死傷する痛ましい事故が発生しました。
亡くなられたお子様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷されたお子様、そしてご家族の皆様方に心よりお見舞い申し上げます。
 
この事故を受けて、当時は菅内閣ですが、菅内閣総理大臣は、このような悲しく痛ましい事故が二度と起きないよう、通学路の総点検を改めて行い、交通安全のための緊急対策を拡充・強化し、速やかに実行に移してまいりますとお話しされ、子どもの安全を守るための万全の対策を講じるため、当時の萩生田文部科学大臣をはじめとした関係閣僚に対し、必要な対策を速やかに出すように指示されました。
 
また、本市でも、第2次菊池市総合計画で安心・安全なまちづくりの推進を掲げております。
 
こうしたことを踏まえ、質問いたします。
まずは、通学路の定期点検の実施や、危険マップについて、それから、市民からの危険箇所の指摘や改善要望について、交通安全教室や子供自転車教室について、運転免許の自主返納について、交通指導員や交通関係団体との連携について、今後のさらなる安全対策について、それぞれ現状や取組、それから、課題を教えてください。
 
この質問については、9月定例会で猿渡議員が質問されていて、重複する部分もあると思いますが、答弁のほどをよろしくお願いします。
 
以上について、1点目の1回目の質問といたします。

総務部長

それでは、後藤議員のご質問にお答えしたいと思います。
 
交通安全対策の現状や取組につきまして、まず、通学路の定期点検につきましては、本市で取り組んでいる菊池市通学路防犯・交通安全プログラムに基づき、学校が地域代表やPTAから取りまとめた要望を基に、県や警察等の関係機関とともに 点検を行っております。
 
また、これに加えて、先ほど議員からもありました、本年6月に千葉県八街市の通学路で起きた事故を受け、事故翌日には追加調査を各学校へ行うなど、緊急点検を行いました。
 
危険マップにつきましては、本市独自のものはございませんけども、熊本県警のホームページに掲載されてある交通事故発生状況マップや防犯マップで交通事故や犯罪の発生状況が確認でき、また、早朝パトロール、これは毎月1日、10日、20日に行っておりますけども、これに加えて、春秋の交通安全運動期間中のパトロール、月6回行っている防犯パトロールを実施し、交通事故や犯罪の抑止に努めているところでございます。
 
また、市民からの危険箇所の指摘や改善要望につきましては、要望があった地区の区長にも確認をいただいております。
交通安全施設の整備につきましては、区長からの要望や通学路交通安全プログラム、パトロールなどにより、現地確認をして整備を進めているところでございます。それから、交通安全教室につきましては、市が交通安全協会に交通安全指導を委託し、各団体からの依頼によりとり行っているところでございます。
 
また、子供自転車教室も、これは交通安全協会主催になりますけども、行っていたところでございますけども、昨年度から新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、開催はされていないところです。
それから、高齢者の運転免許自主返納に対しましては、菊池市内在住の免許証返納時点で、満65歳以上の方で運転免許証を返納して1年以内に申請された方に対しては、市内共通商品券(めぐるん券青券)1,000円分か、べんりカー・あ いのりタクシー共通乗車チケット1,000円相当を選択して、どちらかを交付しているところでございます。
 
それから、交通指導員や交通関係団体等の連携につきましては、交通指導について連携をしているところでございます。具体的には、区長からの要望等により、それぞれの地区において、交通指導が必要な場所に交通指導員を配置するとともに、交通安全協会に伝え、より効果的な交 通安全指導の体制が取れるよう協力しながら交通指導を行っているところでござい ます。
 
今後につきましても、交通安全の確保、円滑な交通体制の推進、交通事故防止のため、交通指導員による早朝やイベント時の交通指導、交通安全協会への活動の補助、交通安全教室開催に関する事務委託、交通安全施設の整備等を行ってまいりたいと考えております。
 
以上、お答えいたします。

後藤議員

文部科学省が示している通学路における合同点検等実施要領を見ますと、危険箇所や対策が必要な箇所については、児童、保護者、地域住民、関係機関の意識を高め、広く協力を得られるよう、可能な限り幅広く市町村のホームページに公表することが望ましいと示されています。
 
危険な箇所をナーバスに捉えるよりも、むしろ平時からこういうところが危険だから気をつけてほしいと周知することが本当の安全対策と私は考えます。
最近は、猿渡議員の一般質問の効果もあったと思いますが、通学路にグリーンベルトが引かれているところも増えております。以前に比べ、子どもたちも安心して通学できるようになったと思います。
 
しかし、住宅地の中を通る比較的狭い道路については、歩行者の区別がない箇所も見られます。都市計画道路や国道等の幹線道路への抜け道となっている箇所もあるようです。
実際に点検することで、改めて気づいた危険な箇所もあったと思いますが、本市の認識をお示しください。
 
また、そういった情報の収集には、交通指導員や交通関係団体の協力や連携があれば、より効果的だと私は考えますが、本市の見解をよろしくお願いします。

総務部長

後藤議員からの再質問の前に、先ほど私の答弁の中で、一部 誤りがございましたので、訂正させていただきます。
 
熊本県警察のホームページに掲載されてある交通事故発生状況マップや犯罪マップと言うべきところを、防犯マップと言ってしまいましたので、犯罪マップに改めて訂正させていただきます。申し訳ございませんでした。
 
それから、先ほどのご質問の中で、通学路等点検の中で、改めて気づいた危険な箇所等につきましては、道路管理者や防災交通課による施設整備や、学校、教育委員会による交通安全指導、警察による規制線、規制標識の整備や取締りにより、安 全に登下校できるように対応しているところでございます。
 
また、議員のおっしゃるとおり、交通指導員や交通安全関係団体との協力もあれば、危険箇所の情報収集も効果的だと思いますので、連携方法については、今後も引き続き連携しながら、また協議も進めてまいりたいと思います
 
以上、お答えいたします。

後藤議員

私は交通関係団体の一員として、月に3回ほど該当指導に 立っています。
 
また、ふだんから市内を車や徒歩で目を配りながら見ています。そんな中、ヒヤリハットは少なからずあると思います。危険箇所を点検する際は、過去に事故に至らなくても、ヒヤリハット事例があった箇所を洗い出し、点検する必要があると思います。
 
ヒヤリハットとは、アメリカ人安全技師ハインリッヒが発表した、1対29対300という法則のことですが、1つの重大災害の下には29件の軽傷事例があり、その下には300件の無傷事故があるという意味で、労働災害の事例の統計を分析 した結果、導き出されたものです。
 
これを基に、1件の重大災害が発生する背景に29件の軽傷事故と300件のヒヤリハットがあるという警告として、安全活動の中で多く取り上げられている言葉です。
 
日常、ヒヤリハットの状態まで行かない、もしくは自覚がないが、実は非常に不安全な状態や行為となると、相当な件数になるはずです。今までも平気だったのではなく、ヒヤリハットの段階で地道に対策を考え、実行することにより、よい習慣 として身につけていくことが重要だと思います。
 
子どもやお年寄り、それから障がいのある方の視点にも配慮しながら、これまでの点検などの蓄積を十分に活用し、地域の実情を踏まえた効率的・効果的な対応をお願いしたいと思います。
 
それから、実効性のある新たな取組について、私は、道路上にハンプを設置するのも有効な手段だと考えます。
ハンプというものは、私は本市以外の地域で道路や駐車場に設置されているのを見たことはありますが、ハンプという名前については知らなかったので、簡単に紹介しておきます。ハンプとは、自動車の走行速度を低減するために、道路上に設けられた凸状の構 造物で、生活道路等においては、車の速度を時速30キロメートル以下にすること が交通安全対策として有効とされています。
 
これは車と人との交通事故の場合、時速30キロメートルを超えると、歩行者の致死率が急上昇するためだと言われています。ハンプの上を車が速度30キロメートル以上を出して通過すると、衝撃による不快感があるため、ドライバーがハンプを事前に認識することで、車の速度を抑えて走行するようになる効果が期待できます。
 
近年、このハンプを設置する自治体も増えてきているようですが、本市も設置する考えはありませんか。例えば学校の校門の近くの道路上に設置するとか、それから、子どもに限らず、お年寄りや観光客、それから障がいのある方の視点に立って考えてみてはどうでしょうか。
 
通学児童や 商店街、温泉街の利用者など、特に歩行者の安全確保のために対策が必要だと思い ます。

総務部長

後藤議員がおっしゃいます、ハンプを設置する考えはありませんかということでございますけども、ハンプは、先ほど後藤議員がおっしゃいましたように、道路の一部を隆起させ、減速を促す減速帯のことだと認識しておりますけども、交通安全対策として有効な箇所があれば、設置について検討してまいりたいと考えております。
 
以上、お答えいたします。

後藤議員

千葉県八街市での痛ましい事故を受け、市内においても、さらなる通学路の安全対策の推進が求められており、今回、私も市の対応を質問させていただきました。
 
事故から半年近くたちますが、もう半年ではなく、まだ半年、風化させることなく、教訓にしていただきたいと願います。また、本市では、これから来年度予算の編成をされることと思いますが、道路の補修や交通安全看板などの設置、それから、白線やグリーンベルトなど、特に通学 路においては優先的に対応していただきたいと思います。
 
次の質問に移ります。

後藤議員

2点目は、本市の修繕工事などの事務処理についてお尋ねいたします。
 
現在、各区の修繕工事に関する要望などは、その区の区長さんにとって、とっても重要な役目の一つです。区民からの相談や要望に応じて、要望書を作成し、市役所窓口に提出されています。そんな折、時々ではありますが、区長さんが市役所窓口に要望書を提出したが、今現在はどう取り扱われているか分からないといったケースが、私が確認しただけでも過去に数件ありました。
 
各区の区長さんは一生懸命に頑張っておられます。しかし、2年間という任期の方が多いと思いますので、要望が解決することなく、任期を終えられるケースもあるのでしょう。
 
本市から各区区長さんへの要望書に対する回答が口頭のみで行われていること、それから、連絡の遅れや失念といった事務処理の問題もあるかもしれません。無論迅速丁寧な対応をしていただき、感謝されていることも多いとは思います。
 
そこで、お尋ねしますが、過去3年間の修繕工事などについての相談や要望件数、それから、解決済みと未解決の件数を、地区については大まかで結構ですから、教えていただきたいと思います。
 
それから、各区からの危険箇所の指摘や改善要望については、舗装であったり、白線など、路面表示など、いろいろあると思いますが、種類ごとの件数もお願いいたします。
 
また、その事務に対する考え方、現状と取組、課題をお願いします。

建設部長

それでは、後藤議員のご質問にお答えいたします。
 
市道の修繕要望につきましては、毎年区長の皆様より本庁や支所へ舗装補修、側溝整備など多くの要望をいただいているところでございます。
 
また、区からの要望以外にも、市民からの情報、道路パトロールにより発見した穴ぼこ、道路陥没、側溝蓋の破損、転落防護柵の設置など緊急を要する場合も多い状況でありますので、早急な修繕を行っております。
 
現在、本市が管理いたします市道は、1,675路線の実延長約990キロメートルであり、市道の維持管理を効果的・効率的に行うため、修繕工事等については、現地確認後に優先順位を決定しており、当該年度及び過年度分の要望並びに緊急を要する箇所に対しましては、令和元年度が96件、令和2年度が100件施工しております。
 
議員お尋ねの要望件数につきましては、当該年度に提出された件数、完了・未着手件数については、令和3年11月末時点での件数を申し上げます。
 
令和元年度要望件数67件、内訳といたしましては、修繕要望13件、舗装要望8件、側溝要望17件、区画線等2件、拡幅要望3件、その他24件で、完了件数が29件、未着手件数が38件となっております。
 
地域ごとの件数につきましては、菊池地区が要望件数38件、完了件数16件、未着手件数22件、七城地区が要望件数14件、完了件数9件、未着手件数5件、旭志地区が要望件数9件、完了件数1件、未着手件数8件、泗水地区が要望件数6 件、完了件数3件、未着手件数3件となっております。
 
令和2年度要望件数につきましては128件、内訳としましては、修繕要望が39件、舗装要望が26件、側溝要望が10件、区画線等が2件、拡幅要望が4件、その他47件で、完了件数は102件、未着手件数が26件となっております。
 
地域ごとの件数につきましては、菊池地区が要望件数68件、完了件数54件、未着手件数14件、七城地区が要望件数17件、完了件数14件、未着手件数3件、旭志地区が要望件数22件、完了件数21件、未着手件数1件、泗水地区が要望件 数21件、完了件数13件、未着手件数が8件となっております。
 
令和3年度要望件数105件、内訳としましては、修繕要望が25件、舗装要望が11件、側溝要望が13件、区画線等が3件、拡幅要望が11件、その他42件で、完了件数が25件、未着手件数が80件となっております。
 
地域ごとの件数につきましては、菊池地区が要望件数76件、完了件数20件、未着手件数56件、七城地区が要望件数7件、完了件数3件、未着手件数4件、旭志地区が要望件数3件、完了件数0件、未着手件数3件、泗水地区が要望件数19 件、完了件数2件、未着手件数17件となっております。
 
要望件数に対しまして、未着手となっているものにつきましては、経年劣化による老朽化により要望箇所が多くなり、修繕にかかる費用が増加していること、拡幅改良及び側溝整備については、用地取得や多額の費用がかかることなどが主な理由 でございます。
 
路面表示等につきましては、交通安全プログラム事業によりまして、市内小学校10校と中学校5校から要望をいただいております。中学校からの要望につきましては、隔年となっておりますが、令和元年度60件、令和2年度36件、令和3年 度65件となっております。
 
修繕工事に対します現状と取組、課題について申し上げます。
修繕工事につきましては、区長の皆様からの要望後、現地を確認いたしまして、緊急性・危険性のある道路補修等、児童生徒等の歩行者の安全・安心を守るための通学路等を優先的に、安全面、道路状況、交通量等を確認しながら予算の範囲内で 修繕を行っているところでございます。
 
現状につきましては、先ほど答弁いたしました未着手の理由により早急な対応が困難となっており、対応が遅れていることが課題となっております。
また、突発的な道路陥没等が発生した場合は、安全面を優先するため、予定した箇所を翌年度以降へ先送りしなければならない状況もあります。今後の取組といたしましては、引き続き、緊急性・危険性のある道路補修等や、通学路等を優先的に行い、突発的な道路陥没等については、業者及び会計年度職員による補修等を早急に行い、安全の確保を図ってまいります。
 
また、通学路につきましては、交通安全プログラム事業により、教育委員会・小中学校・熊本県・警察等と合同点検を実施し、児童生徒が安全に安心して通学できるよう、ラインの引き直しや路面表示等により安全・安心のための整備を図ってまいりたいと考えております。
 
以上、お答えします。

後藤議員

先ほども申し上げましたが、各区の区長さんは一生懸命頑 張っておられます。
 
要望書を作成し、市役所の窓口に提出されています。が、しかし、提出した要望書などがどのように取り扱われているのか分からないといった声が多いです。
 
そういったときに我々議員に相談されることがあるのですが、そのとき、私は区長さんと一緒に窓口に行くことにしています。
しかし、当該要望書がいつ出されたとか、また、内容がすぐに確認できない、そういうことも過去に何回かありました。全ての要望に対してすぐに解決できないことは、もちろん理解できます。
 
先ほど答弁いただきました要望件数に対する解決件数といいますか、そういうところは確かに気になるところではございますが、今回、そのことを申し上げるつもりではありません。
各区の区長さんに対して、しっかりと今現在の要望書に対する取扱いなどについて、丁寧に、それから正確に、可能であれば文書などで説明してほしいと思います。
 
そこで、再質問ですが、要望書についての事務の見える化に取り組む考えはありませんか。
先ほど建設部長からやや長めのご答弁いただきましたが、見える化により、どこでも、誰でも、そういった現状を把握することができます。区長さんも仕事がやりやすくなるでしょうし、同じような要望書の重複もなくなると思います。
 
要望に対 する取扱状況や優先順位など丁寧に説明することにより、何よりも市民の不安や不 満の解消につながると思いますが、よろしくお願いします。

建設部長

それでは、お答えします。
 
要望についての事務につきましては、要望書提出後、要望一覧を作成しまして、本庁、支所で情報の共有を図っており、維持工事の予算要求時の資料及び修繕箇所の選定として活用をしております。
また、本年度において、地理情報システム(GIS)により要望、状況写真等を明示するシステムの構築を行っております。一層の情報共有が図れるよう取り組んでおります。
 
要望に対する「見える化」につきましては、現状では区長の皆様に口頭によりお伝えしているところではございますが、今後につきましては、課題として挙げておりますとおり、突発的な道路陥没等の安全確保が優先されるため、施工の予定年度が先送りになることも考えられるところではありますけども、まずは、今後の対応 予定について文書にて回答を行い、区民の皆様へ周知していただくようお願いをしてまいりたいと思います。
 
以上、お答えします。

後藤議員

議員 私はこの見える化が煩雑な事務処理の解決策の一つだと考えます。
 
各区の区長さんは、何回も言いますが、お忙しい中、本当に頑張っておられます。
要望書が提出された場合はしっかりと、できれば文書などでお答えいただきましたけども、回答をお願いするとともに、より横断的な対応をお願いしたいと思います。
 
さらに、この見える化などの考え方が他の部署にも水平展開されることを期待いたします。
次の質問に移ります。

後藤議員

3点目は、あか牛の消費拡大についてお尋ねいたします。
 
本市は、全国屈指の農業地域であり、農業が最も重要な産業の一つであります。
農業は、国民への食料安定供給や、国土、環境保全はもとより、地方活性化を担う基幹産業として大きな役割を果たしており、我が国の経済成長や地方活性化を牽引するポテンシャルの高い分野であります。
 
しかしながら、農業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の拡大など、様々な課題に直面しており、今後、社会構造が急速に変化すると見込まれる中、抜本的な構造改革により競争力強化と成長産業化を図ることが急務となっています。
 
さて、本市のホームページによりますと、本市の農業は、農業産出額ベースで熊本県内順位2位、全国順位17位となっています。
また、本市の農業において、耕種農業の割合は24.1%、畜産農業の割合は75.8%となっております。農業産出額で見た菊池市の農業の中心は畜産農業となっており、畜産農業の農業産出額に焦点を当てると、熊本県内順位は1位、全国順位は4位となっています。
 
本市の畜産農業において、農業産出額の割合が高く、強みとなっているのは肉用牛となっており、畜産農業の農業産出額全体の38%を占めています。
 
肉用牛の中で、昭和19年に熊本で登録された和牛の一種である褐毛和種を地元では「あか牛」と呼んでいます。あか牛は、地域伝統と特性を有する農林水産物食品のうち、品質等の特性と産地との結びつきを特定できる名称がつけられるものについて、知的財産として国に登録することができる地理的表示保護制度、いわゆるGIに平成30年9月27日に登録されました。
 
そこで、質問ですが、このGI認定を受けたあか牛についての本市の認識、農家件数などの現状や取組、それから課題を教えてください。

経済部長

それでは、後藤議員のご質問にお答えいたします。
 
まず最初に、肉用牛についてご説明させていただきます。
肉用牛には3種の区分がございまして、肉専用種、乳用種、交雑種、いわゆるF1がございます。そのうち、肉専用種が和牛と呼ばれており、代表的な黒毛和種を含め4品種となっております。議員もおっしゃられましたように、「あか牛」については、和牛の中では褐毛和種と呼ばれており、本県が主産地となっているところでございます。
 
また、本県の「あか牛」は、議員もおっしゃったとおり、地理的表示保護制度のGIに登録されておりまして、最近では、黒毛和種に近い価格で市場取引されているところでございます。あか牛の生産は、主に阿蘇地域で多く行われており、熊本県の畜産統計によりますと、県全体の約6割が阿蘇地域に集中しており、菊池地域は、阿蘇に次ぐあか牛の生産地となっております。
 
本市におけるあか牛を飼養している農家数につきましては、熊本県畜産統計による過去3年間の推移を見ますと、令和元年度は55件、令和2年度は57件、令和3年度は60件でございます。あか牛飼養農家の特徴といたしましては、10頭以下の小規模で飼養されている 農家が半数以上でございます。
 
また、頭数の推移につきましては、令和元年度は、繁殖牛として499頭、肥育牛として1,356頭、令和2年度は、繁殖牛として425頭、肥育牛として1,373頭、令和3年度は、繁殖牛として426頭、肥育牛として1,453頭となっております。
 
あか牛につきましては、徐々に減少傾向にあったのですが、近年は、ほぼ横ばい状態になっていると認識しております。
 
次に、本市の「あか牛」に関する取組につきましては、本市独自で実施しております家畜導入事業では、「あか牛」の繁殖雌牛の導入にも補助を行っているところでございます。
 
また、「あか牛」に関する課題につきましては、10頭以下の小規模の農家が多いために、今後、高齢化などにより飼養する農家数や飼養頭数が減少していくこと が考えられます。
 
以上、お答えいたします。

後藤議員

ありがとうございました。
 
あか牛の特徴を幾つか申し上げますと、あか牛は、寒さや暑さに強く、放牧に向いていて飼育しやすい上、自然の草をたくさん食べるため草の再生を促し、草原維持の大きな役割を担っています。
また、その肉は、赤みの特徴的な味わいとヘルシーさを兼ね備え、牛肉らしいうまみや香りに富むといった特性を有しています。
 
また、この肥後の「あか牛」は熊本の文化だと言われています。本市でも昔は多くの農家で飼育されていました。私が育った大琳寺でも、子どもの頃は多くの農家で見ることができましたので、まさにふるさとの牛、菊池の文化だと思っておりま す。
 
もちろん今現在も60件の農家がいらっしゃるとの答弁でしたが、本市においても重要な産業であります。
先月、褐毛子牛の競りを見学してまいりましたが、他県から多くの方々が来場され、地域を挙げて多くのあか牛を競り落としている様子が見受けられました。遠く離れた地域でもあか牛に注目し、地域ブランド化を目指しているように感じました。
 
そこで、再質問ですが、消費者や小売店、それから流通業者などに対して、さらなる各種PR活動をすべきと思いますが、本市の取組、それから現状や課題をお示 しください。

経済部長

それでは、後藤議員のご質問にお答えいたします。
 
令和3年の本市の「あか牛」の飼養頭数は、先ほども申しましたが、繁殖牛、肥育牛、合わせて1,879頭となっております。本市肉用牛全体の飼養頭数が2万4,784頭に対しまして、約7,6%となっております。
 
議員おっしゃるとおり、近年、あか牛は、県や県畜産協会などがブランド力強化のために「くまもとあか牛」として、特に力を入れた消費拡大のPRを行っており、赤身に凝縮されたうまみと、ほどよい脂身と甘さのおかげで、バランスがよい牛肉 として人気が出てきていると聞いております。
 
しかしながら、「あか牛」は、他の肉用牛と比較して生産量が限定されているため、流通における小売店等での取扱いが少なく、販売促進が課題となっているところでございます。
本市では、畜産振興のための牛肉の消費拡大事業として、市内外消費者に対してPRを行ってまいりましたが、「あか牛」についても、今後も熊本のブランド牛として、県や畜産協会、市商工会などの関係機関と連携した消費者へのPRを検討してまいりたいと考えます。
 
以上、お答えいたします。

後藤議員

ありがとうございました。
 
頑張っておられます畜産農家のためにも、ぜひよろしくお願いいたします。先ほど私は、「あか牛」は菊池の文化だと発言しました。
今の子どもたちは「あか牛」のことをどれくらい知っているのか疑問に感じます。子どもたちにも地元のこの肥後のあか牛をもっとよく知ってほしいと思います。
 
そこで、食育教育の一環として、本市の小学校や中学校の学校給食として、年1 回か2回、あか牛を提供してはどうでしょうか。

教育長

議員ご質問の、あか牛の牛肉消費拡大のため、学校給食であか牛を提供することはできないかとのお尋ねにつきまして、回答させていただきます。
 
学校給食に要する経費につきましては、学校給食法第11条に保護者の負担とすると規定されております。このことから、本市におきましても、保護者からの給食費で運営を行っているところでございます。
 
学校給食で利用する肉は、豚肉や鶏肉が中心であり、牛肉は高価であるため、年に5回程度しか利用できていない状況でございます。あか牛はさらに高価ですので、学校給食では使っておりません。
本年度は、長雨の影響により野菜が高騰しておりますし、さらに物価の優等生である卵につきましても、来年から値上げをされるということを聞いております。
 
そのため、学校給食を取り巻く状況はますます厳しい状況であります。このように、限られた給食費の中で運営しておりますので、現状では、あか牛を学校給食で提供することは難しい状況でございます。
 
しかしながら、教育委員会としましては、できる限り地元菊池産の食材を利用したいと考えております。
 
以上、お答えいたします。

後藤議員

ありがとうございました。
 
あか牛の学校給食への提供が、阿蘇地域の自治体で実施されたことがあると聞いたことがあります。
本市も思い切って、年1回でもいい、あか牛ステーキの日をつくったらどうかと私は思います。子どもたちに故郷の味として、いつまでも覚えていてほしい、そういう思いから質問させていただきました。
 
本市を活性化する1次産業は、農業、林業などの産業です。農業は、治水面、自然共生、国土保全という環境にとって大切な役割も同時に担っています。
 
そして、本市における雇用も同時に併せ持つ基幹産業であることは言うまでもありません。私たち議員は、本市市民、それから、生産者、営農者が抱える諸問題を共に考え、産業構造を見据え、農業を核に地域を発展させていく道を提案していく使命がある と思います。
 
また、本市の農業振興は、本市各地の農業団体などにとっても重要な課題だと思いますが、その取組には本市の行政の力と連携が欠かせないと考えます。本市にとって農業振興は、地域産業、地域社会の活性化策としても重視される必要があると思います。
 
そこで、このあか牛の消費拡大に向けて、江頭市長にも力強い言葉をお願いいたしたいと思います。

江頭市長

ただいま、あか牛の消費拡大に向けての市長の意見をというご質問でございました。
 
「あか牛」は、県や県畜産協会さんなどが、ブランド牛「くまもとあか牛」として広く消費拡大のPRを行っているところでございます。
 
本市における「あか牛」の消費拡大につきましても、今後も本市が進めております畜産振興のための牛肉の消費拡大事業の中で、県や畜産協会さんと連携をして、消費者に対してPRを行っていきたいというふうに考えております。
 
以上、お答えいたします。

後藤議員

ありがとうございました。
 
肥後のあか牛の生産者や農業団体などにとって、大変励みになると思います。あか牛の消費拡大で本市のさらなる活性化を期待するところでございます。
次の質問に移ります。

後藤議員

4点目は、菊之城跡についてお尋ねします。
 
本市深川地区、それから、北宮地区では、菊池一族の関連遺跡群の確認調査が行われています。この調査では、初期の菊池一族が活躍した13世紀から14世紀の生活の様子を具体的に明らかにすることができ、これまでの文献資料研究成果を補強するものであります。
 
中世の武士の発生から発展する過程を実証できる貴重な資料であり、鎌倉時代、南北朝時代、室町時代の限定された期間での武士の活動状況を明確にできることは、全国的にも希少だと言われています。
 
このことは本市の誇りであり、市民の関心も高いと思われます。この貴重な史跡を今後どのように生かしていく予定でしょうか。
 
より多くの市民にこの史跡のことを知っていただきたいと思いますが、周知などはどのようにしていますか。お願いします。

教育長

議員のご質問にお答えします。
 
菊池一族の歴史は、中世の前期において、菊之城跡に居を置く肥後北部の中世豪族形成期(12世紀~14世紀初頭)と、中世の中期から後期にかけて隈府に拠点を移し、肥後国守護として領国制を整えていた確立期(14世紀中頃~16世紀初 頭)に分かれます。
 
菊之城跡は菊池一族が最初に居を構えた館だと考えられております。16代菊池武政が守山城に本城を移すまで、菊池の本城であったと言われております。
 
また、最近の調査では、菊之城には掘立柱の建物、周辺には川港があり、菊池川水運を利用した外国との貿易など経済的活動があったと推定することができました。このような成果を基に本年11月に、学識経験者を中心とした菊池市史跡調査検 討委員会から菊池一族の活動状況を明確にできる遺跡である「中世菊池一族関連遺 跡群」として国指定史跡に値するとの答申をいただいております。
 
併せまして、検討委員会から国指定に向けては、菊池一族の活動期間が400年余りと長期に及ぶため、前期の菊之城周辺と後期の隈府周辺とを分け、菊池一族の活動拠点の変遷を立証するようご意見をいただいたところでございます。
 
菊池市としましても、この答申を踏まえ、郷土の歴史を解明する上で、非常に重要な遺跡であることから、まずは、前期分、菊之城跡周辺になりますが、国指定史跡を目指していきたいと考えております。
 
次に、周知方法についてでございますが、これまでの調査結果につきましては、新聞報道でも大きく取り上げられ、ご存じの方も多いと思いますが、市のほうでも確認調査の現地説明会の開催や、市の広報紙に「菊池一族関連遺跡群」としてリポート記事の掲載、さらに公民館講座などによって情報発信に努めているところでございます。
 
また、令和3年度におきましては、4月から7月まで、隈府一番館において菊之城跡の調査成果物を展示するなど「菊池一族の黎明展」と題して企画展を実施いたしました。
 
さらに年度内に、市民の皆様を対象とした成果物報告会を予定しており、 これまでの調査で分かったことなどの周知を図ってまいりたいと考えております。
 
以上、お答えします。

後藤議員

ありがとうございました。
 
答弁いただきました今回の国指定史跡とはどのようなものでしょうか。
また、県内にはどれくらいあるのでしょうか。それから、国指定史跡についてのスケジュールをお願いしたいと思います。

教育長

では、国指定史跡についてお答えいたします。
 
国指定史跡といいますのは、文化財保護法では「貝塚、古墳、都城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとって歴史上または学術上価値の高いもの」と定められております。
 
現在、県内では43の国指定史跡があります。近くでは、山鹿市から菊池市にかけてございます鞠智城跡がこの国指定史跡に当たります。今回は、菊池市のみに所在する国指定史跡を目指したいというふうに考えております。
 
次に、国指定史跡に向けてのスケジュールについてでございますが、これまで、学識経験者などに参加していただいている史跡調査検討委員会の検討を経て、菊之城跡とその周辺が中世菊池一族関連の遺跡として、歴史的な価値があることが分かってきました。
 
現在は、国、県と協議を行いながら、遺跡の総括報告書の作成を進めており、令和4年度に国に意見具申をしていく予定でございます。
 
併せまして、地元や市民の皆様にも調査成果の報告を行いまして、ご理解、ご協力をお願いしたいと考えております。

後藤議員

ありがとうございました。
 
ご答弁いただきました国指定史跡、近くで言いますと、本市との境、山鹿市、菊鹿町に鞠智城が確かにございます。
 
平成16年2月27日に国史跡に指定されました鞠智城は、東アジアの情勢が緊迫した約1300年前に大和朝廷が築いた山城です。663年、白村江の戦いで、唐・新羅の連合軍に大敗した大和朝廷が日本列島への侵攻に備えた西日本各地に築いた城の一つで、九州を統治していた太宰府やそれを守るための大野城・基肄城に武器・食糧を補給するための支援基地でした。
 
「続日本紀」など、国の歴史書にも記載のある全国有数の重要遺跡です。
 
現在、歴史公園鞠智城として古代歴史公園がありますが、本市は中世歴史公園として、菊之城跡及びその周辺を整備する考えはありませんか。お尋ねします。

教育長

議員お尋ねの、菊之城跡及びその周辺の整備をする考えはないかということについて、お答えいたします。
 
国指定後の活用や整備につきましては、史跡の価値を損ねず、市民一体となった歴史を生かしたまちづくりを目指し、保存整備管理計画を策定し、国、県等と協議しながら、進めてまいりたいと考えております。
 
また、郷土の歴史を知り、愛着を持ってもらえるようソフト面における取組も行 ってまいりたいと考えております。 以上、お答えいたします。

後藤議員

ありがとうございました。
 
菊之城跡及びその周辺を整備することで、市民の憩いの場や観光スポット、それからフットパスコースなど、いろいろと地域を活性化できる可能性があると私は考えます。
 
また、国土交通省のかわまちづくり支援制度を活用し、良好なまちと歴史、それから菊池川清流の水辺が融合した癒しの空間ができれば、より魅力的なまちづくりができると思いますので、ぜひ菊之城跡及びその周辺の整備を考えていただきたい と思います。

 
これで、質問を終わります。

 

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