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市政運営について

#市議会一般質問 2025/03/29公開
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本日は、市政運営についてお尋ねいたします。
 

後藤議員

これまで、江頭市政3期11年半、市長は実直に様々な市の課題、難題に果敢に取り組んでこられ、「癒しの里」きくちの実現に向けて努力されてきたものと思っております。
1期目では、未曽有の大災害である熊本地震に見舞われ、2期目では、熊本地震からの創造的復興、3期目では、新型コロナウイルスの真っただ中と、平時での市政運営というよりは、常に嵐の中での市政のかじ取りを強いられ、当初、思い描かれていた市政運営も道半ばではなかろうかと推察いたします。
こうした状況の中ではございますが、市長自ら、この3期11年半の市政運営の成果と課題についてお示しください。

江頭市長

ただいま後藤議員のほうから、江頭市政3期約12年、振り返っての成果と課題を述べよという趣旨のご質問でございました。
このような貴重の答弁の機会をいただきまして、ありがとうございます。また過分なご評価もいただき、大変感謝しております。
12年前を振り返りますと、私は、まず、さらにその1年前、今から13年前にふるさとと40年ぶりに出会ったことを思い出します。町なかや温泉街が大変寂しい状況に加えまして、当時は合併後の非常に政治的に不安定な状況が続いておりまして、ふるさとの将来というものに大変強烈な危機感を覚えました。
一方で、海外生活で得た経験から、菊池市の食や自然景観、温泉、歴史・文化な どの魅力は世界にも通用するというふうに感じました。足元に眠っているこれらの価値を磨き上げて、商品価値で経済につなげることで、ふるさとを必ず元気にできるのではないかと。私の経験がそれに生かせるなら、自分の残り半生をふるさと再興にささげたい。
これが今も変わらぬ市政を目指した私の原点であります。幸い、こうした思いに共感とご理解をいただきまして、市長にならせていただいたわけでございます。
 
それからの12年間、本当に一心不乱に前だけを向いて日々を送ってまいりまし た。
また、途中で熊本地震、コロナ禍といった想定外の災厄が発生し、やりたいことはできない時期が長くございましたけども、改めて振り返ると、数多くの事業を手がけてきておりまして、その時々の様々な思いが去来する次第です。
そのいずれにおきましても、議会や職員の皆さんをはじめ、実にたくさんの方々のご尽力のおかげだと改めて痛感して、感謝の気持ちが湧いてまいります。
 
少し整理をしてお話をさせてください。
まず、就任の第1期目の大きな仕事というのは、それ以前から持ち越しになった数々の重要懸案事項でございました。
最初に取り組んだのは市役所の建て替え問題でした。合併時の合意に基づく計画 が白紙に戻って、ゼロから本当に手探りの難しい仕事でありました。
 
次に、一般ごみ処分場の広域連合加入問題、過去に様々な経緯があったことから、非常に時間を要しましたけども、関係市町や各議会の深い理解をいただきまして、
実現することがきました。それから、長年重要な懸案でありました産廃問題に最終的なピリオドを打つことができたこと、また、長年空き地となっていた田島工業団地の売却、あるいはつまごめ荘の民営化など、関係各位と職員のご尽力のおかげで、非常に重たい経営課題 を解決することができました。
さて、こうした積年の経営課題を解決しながら、新しい経済活性化戦略を次々に具体化してまいりました。

江頭市長

まず、農業に関しましては、大変よい農業製品がありますのに、世の中に知られていない。そういう状況がありましたので、まず取り組んだのはブランド化による 農家の所得向上というものを狙いとして、菊池基準というものをスタートしました。これと併せて、市でネットショップ菊池まるごと市場を開設しまして、流通面の販 路拡大により、独自の農家支援を行いました。
このネットショップは、現在、第三 セクターに譲渡し、活用されております。一方、日本一の農産物を目指す戦略を立てまして、菊池米コンクールを創設し、 今も12年続いております。特に有機米の優勝者からは、1俵7万5,000円で 買い上げる仕組みもできておりまして、農家の皆さんから励みになると喜ばれていただいております。このコンクールでの切磋琢磨の土俵をつくり、3年連続での国 際大会金賞につながったわけでありまして、農家の方々の本当にご努力のたまものと敬服している次第です。
さらには、九州米コンクールも主催して、菊池米のステージアップを図りました。このほか、国の補助金を活用して、第三セクターの共同加工場も整備いたしました。
また、花房台に建築予定であった新庁舎の予定地には、大手の育苗企業を誘致しまして、菊池にふさわしい企業誘致になったわけであります。
また、担い手育成の観点から、新規の親元就農者には市独自の支援策もつくりました。
また、菊池川流域関係市町協働で二千年米作りの歴史の日本遺産の認定を獲得しました。
そのことに加えまして、世界農業かんがい遺産の認定の獲得に至ったこと は、本市の米作りイメージに大いにプラス、寄与したというふうに考えております。
 
次に、観光面でありますけども、まず、自然を生かした観光基盤の整備というものを強力に進めました。熊本地震で傷んだ菊池渓谷ビジターセンターについては創造的復興を果たしまして、現在はライトアップ等で、コロナ禍前の水準にお客様が回復している次第です。
また、龍ロン館周辺を活用しまして、竜門ダムキャンプ場を開設、また、国の支援により、かわまち広場が完成するなど、新たなアウトドアファン層の取組に注力しまして、新しいにぎわいが生まれてきている状況です。
また、日本一の桜の里を目指しまして、毎年100本ずつ11年間、これまで1,100本の桜を植えてきました。
ところが、思わぬ誤算で、企業や団体の皆さんが自分たちも一緒にやりたいということで、自らの費用で桜の植樹を9,000本、 これを誘発することになりまして、合計、今、1万本以上の桜並木がこの菊池市の至るところに出現しているということでありますので、これから10年、20年の将来には、大きな観光資源になるというふうに期待しております。
 
観光面の2つ目は、連携とネットワーク化であります。
福岡県内の5つの市町と連携をしまして、南北朝・菊池一族歴史街道協議会を設 立しまして、文化交流のほかにも、観光客をお互いに送り合う、あるいは、特産品を相互販売協力するといったことにつなげております。
これとも連携しまして、全国の菊池さんや、歴史ファンを囲い込むための菊池ファンクラブを創設いたしました。
現在、菊池桃子さんをはじめ、6,000人以上の会員に上っております。また、10年がかりで取り組んでまいりました菊池一族関連史跡が国指定をいただいたわけでありまして、これも担当部署の地道な取組のおかげだと感謝しております。これは今後の新たな観光資源として、大いに期待するところであります。

江頭市長

一方、工場誘致につきましては積極的に行ってまいりまして、現在、全ての市営の工業団地は完売をしている状況でございまして、この間、60件以上の新規あるいは増設を果たしております。
また、防災あるいは生活環境、福祉の分野で少し取りまとめてみますと、防災面では、デジタル行政無線を導入したほか、熊本地震を契機に、防災・行政ナビをいち早く導入をいたしました。
また、特筆すべきは、本市独自で防災士の育成コースを創設しまして、これまで約300人の防災士を菊池市の中で育成をしてきております。
 
また、太陽光の設置が景観を傷めると。あるいは災害にもつながりかねないということで、太陽光の設置に市の関与を強める新環境条例を制定いたしました。
これは県内初めての事例となりました。
 
また、地方創生の重要なファクターである市民の交流の場をつくるという点におきましては、重要な拠点の整備を進めてまいりました。
1つは中央図書館のあるキクロスです。日本から唯一、世界の12の居心地のよい図書館に選ばれたというのは、大変うれしい驚きでありました。
現在、菊池市にいらっしゃるお客様が必ず訪れるような、言わば菊池市のアイコンになっております。
 
また、念願の市民広場が完成して、マルシェ等、様々に活用されて、まちの活性化に貢献しているというふうに考えております。
こうしたものは、実は検討段階から市民に参画していただくという手法を取りましたので、市民広場にしろ、キクロスにしろ、大変時間、体力は要しましたけれど も、愛される拠点になったなというふうに考えております。このほか、子育て世代を念頭に置いて、公園の整備にも注力を果たしました。
七城の鴨川公園に遊具を設置し、現在は市内で最も子連れの方の多い拠点となっております。
 
また、泗水には憩いの森公園を開設し、同じく孔子公園もステージ建屋を整備させていただきまして、また、菊池公園も展望台等を整備して、歩ける公園になっております。
また、面白い特色としては、学校跡地の活用を地域振興に生かしているところで ございます。
龍門小学校をアーティストスタジオに変えまして、アートフェスタ等 でにぎわいをつくり出しております。
また、迫水小学校がエミューの観光牧場に変わりました。
これは先ほどお話のあったスペイン出張の際に、『めんべい』の山口油屋福太郎の会長さんと知り合いまして、 迫水小をセールスしたところ、短期間に売却が実現したものでございまして、副産物として、菊池ごぼうによる『めんべい』という特産品も生まれたところでございます。
 
また、河原小学校におきましては、高橋酒造さんが購入されまして、現在、植物 工場を行っておられます。そういうふうに、それぞれ大変特色のある拠点に学校が生まれ変わりまして、外部からの集客につながってきつつあるところでございます。また、福祉関係でまとめてみますと、高校生までの医療費無料化を実現いたしました。
また、こども健診センターを新設して、親御さんにとって大変便利で安心で あるという評価もいただいております。
また、不妊治療や乳がんマンモ検診制度を充実させてまいりました。特に共働き世帯が増えておりますので、お子様のための病中・病後の保育施設も整備をしてまいりました。
 
実は、こうしたことが評価されまして、住みたい田舎ランキングというのがございますけども、この市の規模が3万人から5万人のカテゴリーの中で、若者世代が 住みたい田舎として全国3位、子育て世代が住みたい田舎として4位、シニア世代 が9位ということで、3部門が全てベストテン入りをしたということでございます。
これまた、九州内に限ってみますと、市の規模を問わない、言うならば無差別級においても、九州の中で、若者世代が3位、そして、子育て世代が4位というふうに高順位でございます。
 
また、ランキングという意味では、熊本県で3番目にSDGsの未来都市に認定をいただいたところでございます。また一方で、教育や人材育成に大変力を入れてまいりました。1つには、篤志家の方から小川基金というものを頂戴しておりましたけども、なかなか活用ができていない状態でございました。
これをご遺族と何度も協議を重ねまして、現在、給付型奨学金、返さなくてもいい奨学金が本市独自の制度として、多くの子弟に喜ばれているところでございます。
 
また、人材育成に大変意を用いまして、年代別、各層別に人材塾のようなものを続けてきております。小学校には笑育という、漫才を自らつくらせて実演させて、いろんな学びにつなげておりますし、また、原則全校に対してホタル教育を施しまして、立派な環境教育につながったというふうに考えております。
また、中学校は、プラチナ人材塾に毎年派遣を続けまして、内容が大変すばらしかったので、今度は逆に、こちらに学校、出前の形でつくっていただきまして、毎年、森の学校きくちという形でリーダーの育成に努めております。
よく広報誌でこの中学生たちのレポートが出てまいりますけども、本当に見違えるような成長を遂げているわけでございます。
 
それから、高校生におきましては、菊池前進塾というものをつくって、進学を通じて、もっと大きな可能性に挑戦してもらおうという場をつくっております。
また、 域学連携としまして、高校生にどんどん市の事業等にも出てきて、一緒になって働 いていただいているということで、まちづくりにも参加をいただいております。
 
また、若手に対しましては、きくち未来創造塾というものを3期続けておりまして、30人の卒業生、在校生が、今、いるということです。その前進フューチャー ラボKIKUCHIも2期続けまして、現在、それに加えて、きくち起業塾というのは4期目でございまして、ここから輩出された人材が、現在、進行中も含めて100人以上の意欲にあふれた若者を、今、つくり出しているわけであります。
また、農家にとっても経営力が非常に重要だということで、アグリフューチャージャパンという機関と連携をしまして、毎年、農業実践者経営力養成セミナーというものを11年間も続けてきておりまして、受講生が250人にも上っております。 また、市民向けには、キクロスカレッジというものを創設しまして、現在3年目で、毎年コースが増えてきまして、現在6コースで運営をしておりまして、これはいわゆる教養大学というわけではなく、市のいろいろな施策と連動させて、ここのキクロスカレッジで学んだ、言わばマイスターが市の施策を現場で遂行していただくと。
その遂行の担い手になっていただくということで、防災士のコース、あるいは歴史・文化のコースで観光案内人にも育っていきますし、それから、デジタルアーカイブ、スポーツ、花と緑、外国人の方と交流をするリーダーであるワールドフレンズ、こうしたコースで、今、たくさんの方が学んでいただいております。
全て大学等と連携して、かなり本格的な育成講座になっておりますので、昨年度、優良公民館賞というのを文科省からいただいたところでございます。

江頭市長

そして最後に、TSMCの関係でございます。大きな方針としまして、長期的な観点から、バランスの取れた秩序だった開発をしていこうと。
それを誘導していこうということで、ゾーニングというものをいち早く打ち立てました。工場につきましては、既存の工業団地の周辺になるべくまとめるということで、大きいところでは三菱電機さんほか、多数の企業が、今、あそこに集約されつつあります。
また、住宅につきましては、住宅ゾーンの中で、既に開発が6か所で進んでおりまして、今、実績としては、既に116戸の一戸建てができておりまして、私ども のつくりました補助金を有効に活用していただいております。
また、これと併せまして、実際に住んでいただく方、子育て世代に移住をしていただきたいということで、個人向けの補助金をつくっておりますけども、これもこの2年間で、令和6年度はまだ進行中ですけども、45戸がここに手を挙げていただきまして、ご家族の人数が163人、うち子どもが62人ということで、成果が着々と出つつあるというふうに考えております。
 
それから、台湾都市との交流を重ねておりまして、本年度に入りまして、宜蘭市、これは人口が9万5,000人でありますけども、こちらとはMOUという友好交流の一歩手前の言わばお付き合いの段階が始まりました。
そして、台南市さんは人口180万の大都市でありますけども、ここはもう一足飛びに、菊池市が大好きであるということで、友好交流協定をつい先日、締結したばかりでございます。 数え上げればまだまだございますけども、課題として少し整理をいたしますと、課題としましては、進行中あるいは検討中の住宅投資というのはまだまだございます。
それから、非常に大規模な、恐らく皆さんの想像を超えるような大規模な工場進出の相談も、今、進んでおるところでございまして、こうした重要な足がかりが大変たくさん今は残っておるわけでございまして、同時進行中ということでございます。今、そういう意味では、非常に活気づいてきておりまして、まだまだいろんな問合せが来ているということで、今のよき流れを持続させていかなければいけないと。
それから、その一方で、農地や水環境の問題、こうしたものとのバランスをしっかりと取っていかなければいけない。非常にかじ取りの難しい局面をこれから迎えるということでございます。
それから、大きな機会をいただきましたこの台湾2市とは、今後の交流をこれから具体化しなければいけないと。特に子どもの交流とか、市民交流、こうしたものが恐らく大きな広がりを持ってくることだというふうに思います。そうした交流が、実はこれから先、様々な呼び水に発展していくだろうというふうに期待しているところでございますので、これは何とかきっちりと軌道に乗せていかなければいけないと。
 
それから、3番目の課題は、これはある意味では永遠の課題であるのですけども この人材育成、これまで本当に地道に続けてまいりましたこの人材育成というのは、時間はかかりますけども、一番確実な方法だというふうに私は本当に確信をしております。
この人材育成をしっかりと途切れなく続けていかなければいけない。
こうしたことは、今、私が感じている課題でございます。いずれにしましても、たくさんの事業をこれまでやらせていただきました。これもひとえに議会の皆様、そして、職員の皆さん、そして、関係各位のご尽力と、それから何よりもやっぱり市民の皆様がしっかりとご理解をいただいて、ご支援を続けていただいたおかげだというふうに、本当に心から感謝をする次第でございます。自分の一身をなげうつつもりで、この菊池市に帰ってまいりまして、本当にあっという間でございましたけども、まだまだ課題は残っていると、世の中はどんどんどんどんまだまだ変わりつつあると、こういう状況でございます。
以上、長くなりましたが、振り返りと課題について、今、お話しをさせていただきました。ありがとうございました。

後藤議員

今、市長のほうから様々なお話をいただき、成果もたくさんありますが、今からの課題というのは、今のよき流れを持続させること、それから、環境を守っていくことということで、あと人材育成ということとのお言葉でした。
市長の任期もあと半年でございます。熊本地震への対応と創造的復興、新型コロナウイルス対策とアフターコロナといった、前例のない、誰も経験したことのないことをされていたことは誰もが認めることではないかと考えています。
先ほど述べられた課題を聞く限りでは、市長自身、まだまだ道半ばとの思いがあるのではないかなと感じたところでございますが、単刀直入にお尋ねいたします。
市長、来年の市長選挙を含め、今後の考えをお聞かせください。

江頭市長

来年の出馬に関するご質問でございました。
単刀直入にお聞きするということでございます。先ほど課題として挙げました、多くの非常に重要なものが同時進行中であると。もっともっと、どんどんどんどん、今も毎日のように様々な課題もそうですし、そ れから、問合せも舞い込んでいるわけでございます。
このよき流れをやはり止めてはいけないと。しっかりとそれを受け止めて、次につないでいかなければいけないと いうふうに考えております。
実は、正直に申し上げますと、私ももう70歳になりました。ただ、おかげさまで体は非常に頑健で元気でございます。ただ一方で、私の人生の残り時間も大分少 なくなっているわけでございます。一瞬、自分は今後、この後、どういう人生になるのだろうと考えたことはございます。
少しはもう老後を楽しみたいという気持ちも正直人間ですからそれはございました。ただ、改めて、さっきの私の原点に立ち返ったときに、今から13年前ですか、ここに降りたときの一つはショックですね。
この後、どうなるのだろうという思い。それから、もう一つは、宝石の原石を見つけたようなすばらしい驚き、発見、この 自分のふるさとはこんなにすばらしかったのだと。これをこのままにしてはいけないと。そのために、自分はたまたま海外も含めていろんな経験してまいりましたけれども、これが役立つのだったら、もう自分を投げ出してもいいぐらいの価値がある。そう思って舞い戻ったわけであります。
 
全てをですから全部捨てて参っていますので、もう今さら、自分の生活はどうのこうのということを考えること自体がおかしいわけであります。
という思いに私は至りまして、最初の覚悟どおり、自分を本当に一身投げ出すつもりで、この一番重要な時期をやっぱりしっかりと責任を持ってやっていこうと、こういうふうに今考えておりまして、来期の市長選挙におきましても、長いぞと言われる方もおられるかもしれません。
しかし、今、非常に重要な時期であります。この私でよろしければ、もう一身をなげうって、誰にも負けない覚悟で、それは改めて皆さんのために闘い抜くつもりでございます。
 
今後につきましては、これは出馬表明の時間でございますから、あまり仔細なことは言いませんけども、私が、今、頭にあるのは、一言で言えば、これ一大チャンスが来ているわけであります。
ただ、瞬時にこれは流れていきますので、本当に的確に迅速に積極的にそれを対応して、それをつかみに行かんといかんと。
もう一つは、そのことでむやみやたらとではなくて、やっぱりしっかりと考えながら、バランスの取れた市の発展につなげていかなければならない。
そういう中で、ここぞといえば、もう本当に狙いを定めて、ちまちまとしたことではなくて、思い切った重点投資をしていかなければならない。その際に、やはり予算というものは限られておりますので、民間ができるものは民間にやってもらう。自治体でなければできないこと、自治体がやるべきこと、そのことによって、民間の誘い水効果につながること、こうしたものに私は重点的に投資すべきだというふうに思います。
何やら貯金が余っているから、市は住宅でも建てるかというふうな考えもあるかもしれませんけど、私は、それは違うだろうと思うのですね。
やはり例えば下水道等のインフラ、これは非常に今後も重要になってまいりますので、ここに投資すると、民間の住宅が恐らくはついてくるであろうと。
こういうふうな考え方が非常に大事だというふうに思います。そういう意味では、今日は仔細に全部の領域をカバーするわけにいきませんけれども、大きな柱としては、住宅促進による人口増、とりわけ南のほうに当たります、特に過疎地に認定されました旭志地区、そしてまた、泗水地区、そして、そのほかの地域の小規模校の周辺、こうしたところが一つ大きな重点地区になってくるだろうというふうに考えております。

江頭市長

もう一つ、大事なことは、観光戦略に非常に力を入れてきたわけでありますけれども、TSMCが出てきたことで、なおさら、この菊池市の持っている特性が、奥座 敷の観光地として非常に光ってまいりますので、ここを本当に本気で強化、整備をしていかなければいけない。
とりわけこれは隈府地区や温泉街ということになってこようかというふうに思います。
そして、さっき、狙いを定めた思い切った重点投資が必要だと申しましたけども、インフラ投資ですね。ここを十分熟慮の上で、果断にやっぱりやっていく必要があろうというふうに思います。
 
特に住宅促進策の中では、旭志地区につきましては、住宅だけではなかなか、やはり誘致が難しいと思いますから、最初に、国道325 号沿いに大きな商業施設を誘致するということが非常に重要であろうと思っています。そうしますと、そこにはやっぱり下水道がないと、なかなかそういう大きな商業施設は来てくれません。
それは、私はもうぜひやろうというふうに思っております。そのことが呼び水になって、旭志地域に大きな住宅が促進されて、そのことで過疎地の解消に向かう大きなきっかけになるのではないかというふうに思っております。
 
それから、泗水地区につきましても、やはり熊本市あるいはTSMCのほうにより近くでございますので、住宅地としては最適の場所だというふうに思います。
確かに、今、もう下水道はございますけども、今後、さらなるキャパシティを増やすことで、住宅を促進しようということで、今ある下水道の浄化槽は倍増すべきだと私は考えております。
 
そして、旧菊池地域におきましても、住宅促進を図ってまいりますけども、とりわけ町なかの至るところに、農地と住宅が混在しているところがございますね。そこはもうどんどんどんどん住宅を誘致してまいりますし、とりわけ小規模校の周辺、ここに特化して住宅開発を促進していこうというふうに考えております。
 
それから、これは県との話になりますけども、今、県のほうでサイエンスパークのことを検討されているのではないかと思いますけども、この2市2町の今のありようからいきますと、恐らくは分散型のサイエンスパークにならざるを得ないのではないかなというふうに考えておりまして、そうなれば菊池市としても、何も全部を取ってくることの必要はなくて、その一部をこちらに誘致するということはあり得るのではないかと。これは今後の検討課題ということになってまいります。
これは、一概に、工場ということよりは、研究機関とか、大学ということも可能性としてはあり得るというふうに思います。
それが住宅を中心とした大きな柱の少し肉づけの部分ですね。

江頭市長

それから、もう一つ、奥座敷の観光地を確立するというお話をしましたけども、今、観光戦略が非常に重要な仕上げ段階を実は迎えているのです。
といいますのは、これまでやってきたことは、周辺の自然資源の整備なのですね。自然の観光資源、 例えば熊本地震で菊池渓谷が大きくやられたわけでありますけど、そこから何とか 創造的な復興を果たしてきて、その周りに民宿を促進したり、グルメを促進したり、竜門ダムのキャンプ場を作ったり、千畳河原を整備したりといろんなことをやって、 だんだんに人が自然を求めてやって来る、そういう場を整備してきたわけでございます。
今度はそこに民宿やグルメを使って、人間がとどまるように、そうしませんと、消費につながらないわけでありますね。
 
私の言葉で言えば、それは人間のダムをつくっていくということでございます。それもまだまだ完璧ではありませんけど、だんだんにできてきておりまして、今、菊池渓谷に来た人が、今まではさっと見て帰っていくのが、今、市民広場に立ち寄る確率がどんどん増えております。
今度は そこまで来たお客さんを町なかにどういうふうに回遊して、滞在してもらうか。滞在時間は長いほど消費につながるわけでございます。
最終的には、それが温泉街のほうに行って宿泊につながる。できれば、その宿泊も泊と食を分けまして、ホテルと飲食店がきちんと共存共栄できるような形に持っていきたいと。
このまさに仕上げの段階が来ているわけでございますけど、そのときに、先ほど申しました非常に追い風が今は吹いていまして、1つにはTSMCを中心とする高度産業の集積地が、 今、できつつあると。そういう産業地帯に勤めている人というのは、自然の中で癒しを求める傾向が非常に大きいわけですから、一番近い観光地として、しかも名 湯百選を持つ温泉として、菊池渓谷を持つ菊池市として、もう一番の可能性が高いところなのですね。
 
そしてまた、もともと日本に対する愛が深い台湾の中でも、台南市という大きなまちと今回つながりをいただいたわけでありますから、今、非常な好機が到来して いるということ。今まで仕掛けた大きな仕上げ段階に来ているということと、そう いうふうな追い風が吹いている。
まさに、この今が大きく、私の言葉で言えば、思い切った重点投資をしていく時期がいよいよ来たと。まさに、乾坤一擲の思いで、今、踏み込んでいこうという考えでございます。
 
これまでは、確かに地震もありました。コロナ禍もありました。その都度、何ら かの補助金でつないできたわけであります。
これもいよいよコロナ禍も明けて、その補助金というものもなくなってきているわけでありますから、これからは自立しなきゃいけません。そういう意味で、実は今日の今の戦略につなげるために、いろんなことを実は準備期間としてやってきたわけであります。
その一つが桜街道でありますし、グルメ街道であるし、キャンプ場を作ったり、民宿をつくったり、町なかであれば能場を何とか文化施設として活用して、お客さんを集めるイベントをたくさんやってきた。そして、ラブベンチもあちこちに置き始めた。もりまちをやりましょう、かわまちもやりましょうということで、自然が楽しめるようなまちになってきた。
今までは部品だったので、なかなか皆さんには見えづらかったかもしれ ませんけども、これから進めることは、まさにそうした部品をつないでいくという ことですね。
それで、町なかをゆっくり回遊して、自分を取り戻しながら、田舎らしい滞在を楽しむ場、それがこれからの菊池市の観光のありようだというふうに考えております。

江頭市長

まだまだ語りたいことはたくさんございますけども、それともう一つは、失礼しました。もうちょっとありました。
特に町なかにおきましては、隈府一番館を改修し、それから、やっぱり魅力のある集客拠点というのが必要でありまして、これはもう私も幾つかアイデアがございます。
こうしたことに景観整備も加えまして、町なかを本当に気持ちのいい感じで、品格のあるおしゃれな滞在型のまちにしていこうというふうに考えております。
それから、それをやるためには、これは言葉だけでは駄目ですから、人が要ります。今の観光協会さんをさらに強化して、DMOといいますけども、自分たちで稼いでいくことのできる組織、そういう体制にガラッと、今回は変えていきます。そこにも大きく重点投資をしてまいりますし、景観整備にも惜しまずに、貴重なものは 投資をしていこうというふうに考えております。
 
それから、足の問題がございます。ですから、空港に来たお客様がどうやって菊 池市に来ればいいのだということは必ず突き当たりますので、エアポートライナーのようなものも私は必要になるであろうということで、これは山鹿市さんとも連携をしながら、何とか実現したいというふうに思っております。それから、最後は、人材育成でございますね。
これからは特に台湾を中心として、国際交流をやりながらグローバルな人材を育てていくということが菊池市の将来にとってもプラスになってこようと思います。
いろいろ申し上げましたし、時間も限られていますので、農業はもちろん、引き 続き重要な基幹産業でありますから、国が最近、関係の基本法を改正したので、恐らくこれからの農業のありようというのはもっともっと強化されてくるだろうと。一つのチャンスを迎えておりますので、それを見極めながら、私どもも全力でご支援をしていくということは申し上げておきたいというふうに思います。
今日は語り尽くせませんけども、今、お話ししたのは、ある意味では、骨太の本 当に骨格のみお話ししたにすぎません。
実際には各地区の悩みであるとか、各業界ごとの様々な悩みであるとか、そういう抱えていらっしゃる問題はもう本当にまちまちだというふうに思っております。
 
ですから、今の戦略とはまた別に、特に少子高齢化の影響が強く出てくるのは中山間地であるとか、過疎地であるとか、辺地であるとかいうことでありますので、種々切実な悩みがあるはずでございます。特にそうした地域については、道路、河川あるいは農地等の固有の問題があると思います。
こうしたことはやっぱり現場に行かないと分かりません。ですから、ぜひその現場に行って、お聞かせいただくということを少し仕組み化していきたいというふうに考えております。
既にそういうふうな実例もございますので、一定期間で巡視をしていく。皆さんと現場でいろんなことを吸い上げていくというふうな場を少しつくっていきたい。そうすることで、一方で、骨太の戦略は、それはもうきちんとがっちりと遂行していきますけども、各地域の問題には丁寧に寄り添いながら進めていくということの姿勢は必ずやっていきたいというふうに思います。
 
最後になりますけども、一言で言えば、重要な転換期を迎えているということで ございます。
これまでいろいろと準備してきました仕掛けを一斉に、集中的に実現する時期が来たということでございます。 12年前からもう一身をささげる覚悟で参りまして、幸い70歳とはいっても、この日のために体を鍛えたようなものでございますから、非常に頑丈でございますので、私の死に場所をここにするつもりで、誠心誠意、粉骨砕身で頑張っていきたいというふうに考えております。
以上、お答えいたします。

後藤議員

力強い言葉をいただきました。ありがとうございました。 これで質問を終わります。

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